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腎移植とまっすぐ向き合って〜

感染について

2.感染について

移植した腎臓が体の免疫機能によって拒絶反応が起こらないように免疫抑制剤を飲み続けなければなりません。免疫機能の抑制(低下)によってウィルスや細菌、カビにより感染症を起こす可能性があります。

 

移植3ヶ月間は、免疫抑制剤の量が多く、もっともウィルス感染にかかりやすい時期です。その後、免疫抑制剤の量は徐々に減り、体力も付くため抵抗力が出てきます。

 

そのため、移植後6ヶ月を過ぎる頃には感染症を起こす可能性が減ってきます。しかし、免疫抑制剤を飲んでいる限り、注意が必要です。

感染症について

サイトメガロウィルス

 

 サイトメガロウィルスは、ヒトヘルペスウィルスの仲間です。このウィルスは一度感染すると、一生の間ずっと体内に住み続けています。免疫抑制状態になると再活性化し、肺炎・腸炎などを起こします。感染したことがなければ(抗体がない)移植によってドナーから感染することがあります。サイトメガロウィルスに感染した場合、主に内服薬(バリキサ)で治療を行いますが、状態によっては入院し、点滴(デノシン)治療を行います。

 

 

サイトメガロウィルス
出典元:先天性トキソプラズマ&サイトメガロウィルス感染症 患者会 トーチの会 様より

 

こちらのページでは、サイトメガロウィルスについて、詳しく解説しています。
(例)どんな症状か、どうすれば予防できるか、どのような人が感染すると問題なのか、妊娠中に気をつけることなど
体験談もたくさん載っています。僕が探した範囲では一番わかりやすく、詳しくまとめられていました。
ただいま、当サイトと連絡をとっています。腎移植でさらに有益な情報を提供できるかもしれません。
当サイトと連絡とれました。ものすごく丁寧な回答でした。

 

「母子感染を対象とした当事者とその家族の会であるため、成人の方、移植後の方は対象外であること」
「リンクは自由に使ってもよいが、出典元を必ず明記すること」
以上の2点が返答内容でした。

 

サイトメガロウィルスについて、全く知らない人にとっては、ものすごくわかり易いサイトであることには変わりません。
もしよろしければのぞいて見てください。


 

風邪

 

 咳やのどが赤くなる、鼻水が出るなどの風邪症状があるときには、病院に連絡してください。風邪なのか重篤な感染症なのかを検査しなければ見分けることができません。自己判断で市販の薬を飲むのは避け、病院に連絡し、医師の指示に従ってください。
 当院以外を受診した場合、移植したこと、免疫抑制剤を内服していることを伝え、処方された薬を服薬してよいか必ず当院に問い合わせをしてください。

 

 

 

膀胱炎(ぼうこうえん)

 

排尿後すぐにまた尿がしたくなった り 、 尿をする時に痛みを感じたり、尿が全部できらないような感じがした り 、 血尿や尿混濁があるときは膀胱炎が疑われます。病院に受診し検査を受けましよう。
膀胱炎を予防するためには1日に1.5L以上の尿が出るように水分を取りましよう。また移植腎への尿逆流予防のためにも トイレは我慢しな いようにしてください。

 

帯状疱疹(ヘルペス)

 

帯状疱疹は、子供の頃にかかった水ぼうそうウイルス(水痘)が、免疫抑制状態により体内で再び暴れる病気です。前兆として1週間ぐらい前から皮膚の違和感やピリピリした痛みを感じ、痛みを感じた場所にブップッとした赤い発疹ができ、 小さな水ぶくれとなって帯状に広がり ます。 帯状疱疹は胸や背中・首・腹 ・ 太ももなどに見られますが、 体のどこにでもできます。 水ぶくれは左右のどちらか半身に出ることが特徴で、 一度に2箇所以上の場所にできることはほとんどありません。
 帯状疱疹は早期発見 治療 (内服) を行う=とが大切です。
症状がひどくなると、全身に及んで危険な状態になることがあります。また痛みは発疹が治った後でも残ることがあります。
 上記のような症状が見られた場合には、帯状疱疹か他の発疹かを見分ける必要があるため。受診してください。

 

インフルエンザ

 

 インフルエンザにかかると重篤になる恐れがあります。したがってインフルエンザの時期はできるだけ人ごみは避け、手洗い・うがいなどの感染予防とともに、10月の終わりから11月にかけて2回の予防接種を受けましょう。移植後は1ヶ月以上経ってから接種してください。また、一生涯、毎年予防接種の必要があります。

 

★当院では予防接種は行っていないため、近くの病院で接種を行ってください。
★一緒にお住まいのご家族もワクチン接種をしてもらってください(1回接種で可)

 

食中毒

 

夏の時期はO-157などの食中毒に注意してください。移植後お刺身など生ものは食べることが出来ますが、 新鮮なものを食べるよ う にしてください。
食事前の手洗い・うがいも大切です。
水道水は飲んでも構いません(ただし国内のみ) 。
井戸水や沢水、 名水など殺菌処理のされていない水は、 一度沸騰させてから飲むこ とをお勧めします。

 

 

 

感染予防対策 入院中

 

食事前や検査から帰ってきた後など手洗い・ うがいを行いましよう。手洗いは病室前のホスピードジェルでも可能ですが、トイレの後や食事前は石鹸で手を洗いましよう。うがいは処方されたうがい薬を使用してください。
また、食後は歯をみがきましよう。
※マスクの基本的な意味は『咳工チケット』です。マスクをしているから「ウイルスをもらわない」わけではありません。
★のどが乾燥しないようにする。外でも屋内でも予防するとよい。

 

安静度
手術後は大量の免疫抑制剤を使用ます。そのため手術後は約1週間ほど個室になります。手術後3日間は個室内、4から3日目までは病棟内、
14日目以降は院内と安静度を広げていきます。しかし術後は免疫抑制剤の内服により抵抗力が低下しています。売店等へ行く際は人混みの多い時間帯を避け、帰ってきたら手洗い・うがいを行い感染予防につとめましよう。

 

清潔ケア
手術後は体拭きのタオルをお渡しします。(4日目以降からシャワーが可能になります)皮膚の清潔に心がけましよう。また移植後しばらくの間、尿道に管が入っています。管が入っている間は膀胱炎などを引き起こしやすくなっていますので石鹸で陰部を1日1回洗い清潔をこころがけましよう。

 

 

感染症対策 退院後

 

様々な感染症にかかる可能性がありあすが、基本は「手洗い」と「うがい」です。

 

ペット
免疫が正常な人に比べ、移植後の方はべットから病気をもらう可能性があります。基本的にはべットは飼わないことをお勧めします。

 

★現在飼っているときは、次のことに注意してください。

 

犬猫
a)自分自身を清潔に保つ事が大切です。
べットや、その排泄物を触った後は石鹸と流水で手を洗いましよう。
排泄物は直接触らないよう手袋を着用しましよう。
kissは避けましよう

 

b)噛まれたりひっかかれたりしないよう注意して下さい。

 

c)べットが病気になったら、すぐに獣医に見てもらいましよう。

 

※ペットが下痢をしたら下記の感染症を見てもらって下さい。
【クリプトスポリジウム・ジアルジア・サルモネラ・カンビロバクター】

 

鳥類
a)鳥は飼わないで下さい。厳禁です。
b)特に鳩は糞にカビ(クリプトコッカス)が含まれているため要注意です。
★鳥の糞の中にクリプトカックス菌(カビの一種)が入っています。くれぐれも触らないようにしてください。

 


金魚・熱帯魚を飼っている場合は、水槽のそうじは必ず手袋をしてください。

 

爬虫類
飼わないでください。

 


a)プレドニゾロンの副作用により、 皮膚が薄くなっているためケガには十分注意しましよう。また、ケガをした時は流水でしつかり洗い、その後消毒しましよう。

 

b)皮膚の粘膜が薄くなってくるため、歯磨きの際は歯茎を傷つけないよう にやさしく磨いてください。
★万が一、怪我をした場合は、流水で洗い流し、消毒するようにしましょう。また、傷がひどい場合は、速やかに病院に受診しましょう。

 

その他
大掃除、引越しなど、ほこりが舞うときは気をつけてください。
★ほこりには、真菌や細菌がかくれています。

 

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